今を生きる私たちが、未来の子どもたちにどんな千葉を引き継ぐことができるか、一緒に考えることができれば嬉しいです。          


by bakin_yume

カテゴリ:公共事業( 3 )

青緑の八ッ場 ②

八ッ場ダム建設予定地は 群馬県の上信越国立公園の中央あたり、吾妻渓谷の少し上流に位置します。吾妻川は、利根川に流れ込む支流(片品川・赤谷川・吾妻川・渡良瀬川・神流川・烏川・鏑川)の1つですが、吾妻川の上流の白根山は硫黄を多く含む火山でそこに含まれた雨水は強い酸性の水として湧き出て川に流れます。そのため、上流の品木ダムに流れ込む前に中和剤を投入しています。
ところが、八ッ場ダム建設予定地のあちこちでも酸性土壌ではと思われる状況が見られます。移転先、道路建設のために山を削ったあとを流れた水の跡が褐色になっています。
また、中和剤は上流3か所で投入され、この川は、やがて首都圏の生活水になり、私たちの水道水に利用されています。
先日、利根川・江戸川を水源とする浄水場でホルムアルデヒドが検出され、千葉・埼玉・群馬県では取水制限をし、千葉県約35万世帯が断水することがありました。原因は、産業廃棄物業者がヘキサメチレンテトラミンを流した結果、塩素と反応しホルムアルデヒドを発生させたということです。
中和剤として使用されているのは、石灰です。飲料に含まれても危険はないので使用されているとは思いますが、何かと反応することによって危険なものに変化した今回のことからしても、中和剤投入を見ていて、ぞっとするものを感じました。

流れ出た水の跡が褐色に(中央)                        強酸性 湯川の水につけたくぎ                       
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中和剤投入

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品木ダムa0247884_9463194.jpg
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浚渫土の処分(処分場は君津の管理型最終処分場と同じようです。
時がたてば、自然そのものに見えますが、その下には・・・・)
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by bakin_yume | 2012-05-29 09:28 | 公共事業

青葉の八ッ場①

5月25・26日、群馬県の八ッ場ダムに行ってきました。八ッ場ダムは 2年半前の2009年11月に訪れたことがあります。2年半の間に二転三転、振り回された八ッ場は 今、どうなっているのでしょうか。

八ッ場の経緯
・1952年(昭和27年)カスリーン台風級の水害から首都圏及び利根川流域を守るため計画(治水)
・1986年(昭和61年)「八ッ場ダム建設に関する基本計画」2000年の事業工期として策定(以後、何度も延長)
・2008年(平成20年)建設目的に発電が追加。工期は2015年に再延長(工費 4600億円に修正)
・2009年(平成21年) 9月 当時の前原国土交通大臣が八ッ場ダム中止を表明
・2011年(平成23年)12月 前田国土交通大臣が八ッ場ダム建設継続を表明

なんと、計画開始から60年も経っています。

25日は、まず、やんば館で「八ッ場ダム建設関連工事について説明を聞き、現場を案内していただきました。
やんば館は建設中に「十字架」のように見えると有名になった湖面2号橋(現不動大橋)のすぐ下にあります。
ダムができるときにはどこでも同じですが、湖底に沈む地域ができます。そして、そこで生活している方々は移転を余儀なくされます。八ッ場ダムができると、800年の歴史を持つ「川原湯温泉」が湖底に沈みます。
その川原湯温泉の1軒に宿泊しました。(建設現場を見学して宿泊をすると群馬県より助成金が出ます)
川原湯温泉の宿泊数は、ピーク時の1/3になり、代替え地整備が遅れているため、移転もできない状況だそうです。また、現地での再建を断念した旅館もあるそうです。

現地では、湖面上の橋、2号橋(不動大橋)、3号橋(丸岩大橋)は完成し、現在、一番川下の1号橋の建設が始まっています。ダム湖を囲むように山肌を削って、道路、移転のための宅地などが造成されていますが、のり面(山を削ってできた斜面)が 崩れる個所も出てきました。そういうのり面にはアンカーボルトをうち込んでいますが、八ッ場の山々は土壌が酸性のため、その腐食も心配です。

下流域の首都圏16,840㎡、1,200万人の生活者の治水(洪水などの水害を防ぎ、また水の便のため、河川の改良・保全を行う)・利水(農・工・上水道の利用)のため、と言いますが 実際は、どこまで必要なのか、現状を見、様々な関係場所を見てくると(利根川遊水池)、多くの犠牲を払ってまで八ッ場ダムを建設する必要は全くないと思います。また、歴史ある川原湯温泉と吾妻渓谷をはじめとした自然、失いたくないですね。
しかし、すでに、そこに住んでいた方々の生活はダムができる前提で進んでいます。すでに そこから出て行った方々、代替え地に移転して生活している方々のこれからを下流域千葉県の一人として考える責任を感じます。

計画前には戻れません。道路もでき、JRも建設が進み、代替え地での生活も始まっています。ダムを造らなくても、そのままの自然を残し、「ダムを造らなかった八ッ場」としての観光で生きる道があるのではないかと、現地を回って思いました。新しい道ができ、上から眺める自然も美しかったです。

2009年11月と 現在の2号橋(不動大橋a0247884_22174456.jpga0247884_2211592.jpg












建設中の1号橋(一番川下)                              3号橋(丸岩大橋)a0247884_22291342.jpga0247884_22303124.jpg













川原湯温泉                                      現在の温泉源
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現在も営業中の山木館の露天風呂と眺めた風景(雨でちょっと残念)
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代替え地に移転のため、撤去された旅館跡
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自然に囲まれた湯河原温泉(中央あたり)とコンクリートで囲まれた代替え地a0247884_22593797.jpga0247884_2313582.jpg
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by bakin_yume | 2012-05-28 22:06 | 公共事業
4月28日、利根川下流域の調整池見学と「美しい手賀沼を愛する市民の連合会」との意見交換会に参加しました。

千葉県と茨城県の県境を流れる利根川をはさんで 田中調整池と稲戸井調整池と菅生調整池があります。見学をしたのは千葉県側の田中調整池と茨城県側の稲戸井調整池でした。
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(荒川上流河川事務所より)
調整池といっても、池になっているのではなく、普段は農地であったり、空き地であったりしています。
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千葉県柏市・我孫子市にある田中調整池は、普段は農地になっていて、ちょうど田植えが始まっていました。利根川の囲繞堤(いじょうてい)と周囲堤に囲まれた11.75K㎡の広さで 洪水の時には越流堤(えつりゅうてい:囲繞堤より約3m低くなっている)を超えて流れ出た川の水を6100万㎥貯めることができます。洪水が治まれば、排水門を通して、調整池の水は利根川に戻されます。


昭和30年以後、今まで、台風シーズンの7~9月の間に15回越流していますが、3日~1週間で排水を完了しています。心配されるのは 育った稲などですが、稲は2~3日冠水しても持ちこたえることができるそうですし、不十分ながら、共済組合から補償金が出るそうです。
上は、調整池になる農地、中は手前の低いところが越流堤、高いところが囲繞堤、下は排水門
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対岸の茨城県取手市にある稲戸井調整池は現在国有地がほとんどで(国が買い取ったそうです)4.48K㎡で、現在は約1900万㎥の容量があります。国は、容量を増やすため、掘り下げる計画をしているそうですが、野鳥や野草などの恵まれた自然が破壊されることが懸念されています。
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稲戸井調整池の越流堤(向こう側に深さをあらわすメモリがあります)






今回は見学できませんでしたが、菅生調整池は 5.92K㎡、約2850万㎥の容量があるそうです。

ここで、問題なのは、群馬県の吾妻郡の八ッ場ダム建設計画です。昨年末 国土交通相が、中止されていた八ッ場ダムの建設再開を表明しました。
この、八ッ場ダムの建設の目的の1つである洪水調節容量は、6500万㎥といわれています。現在の利根川下流の3つの調整池の容量は田中調整池が6100万㎥、稲戸井調整池は1890万㎥、菅生調整池は2850万㎥で、計10840万㎥。八ッ場ダムの調整要領を優に超えています。

1年半前、八ッ場ダムに訪れました。紅葉のきれいな時期でもあり、吾妻川渓谷は日本の美しさを十分に味わえる自然豊かな場所でした。しかし。吾妻川に臨む湯河原温泉は、閉館した温泉あり、閉店した店があり、さみしい温泉街でした。もっと、驚いたのは、水没する村の移転先の光景です。先祖を祭る墓地もそこに据え置かれたような有様であまりにも人の気持ちを無視しているようで悲しみを覚えました。

来月にはその八ッ場ダムの予定地を訪れたいと思っています。
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by bakin_yume | 2012-04-29 23:50 | 公共事業